年賀状ゲーム

 (第1話)

 

?「き、きさまっ!なぜ年賀状を書いた!?」

??「これは年賀状ゲームだ。年賀状を書いて何が悪い?」

 

 

 

世界年賀状ゲームから5年、、、

現在の日本は平和そのものだった。

 

そんな日本の東京都に住む一人の女性がいた。

彼女の名前は美沙。

純日本風な、鼻筋の通った、おしとやかそうな美人だ。

 

ある日、彼女の住むアパートに、なにやら怪しげな男が訪ねてきた。

 

トントントン

 

美沙「はーい。どちら様ですか?」

 

怪しげな男「借金取りでーす。」

 

美沙「どうもご苦労様です。」

と、美沙はなんのためらいも無くアパートの部屋のドアを開けて、男を迎え入れた。

怪しげな男はあっけにとられた。

 

怪しげな男「おいおい、いきなり借金取りが来たんだから少しは警戒しろよ;」

 

美沙「へ?そういうものなんですか??それに私、借金なんてありませんけど。」

 

怪しげな男「お前にはなくても、こいつにあるんだよ!!」

 

そういうと、男はポケットから1枚の写真を取り出した。

 

 美沙「あー、コロちゃん♪この子、一ヶ月前から家に帰ってこないんですよ。どこにいたんですか!?」

 怪しげな男「こいつは地下帝国でパチスロにハマリ、多額の借金があったんだ。

そして、その借金を抱えたまま、フンコロガシに転がされて、帰らぬ虫となったんだ。

その多額の借金をこいつの飼い主であるあんたに返してもらいたいんだ。」

 

ちなみに、コロちゃんとは美沙が三ヶ月間飼っていた、だんご虫である。

 美沙「そっかぁ、コロちゃん・・・そんなことがあったんだ・・・

わかりました。コロちゃんの借金は私が責任をもってお返しします!で、いくらなんですか?」

 

怪しげな男「おお、なかなか物分りがいいじゃねえか。だが、今のお前にこの額は少々無理があるんじゃねえか?」

美沙「で、いくらなんですか?」

 

怪しげな男「12000ペリコだ。」

美沙「12000円ですね?昨日バイト代が入ったばかりだから払えますよ☆」

 

怪しげな男「いやいや。円ではなくてペリコだ。」

美沙「なんですか?ペリコって?」

 

怪しげな男「地下帝国の通貨だ。」

美沙「そんなの、あるわけないじゃないですか!」

 

怪しげな男「無いで済むわけねぇだろうがよ!!どうしてもねぇって言うんだったら

地下帝国の強制労働施設で働いてもらうほかねぇなあ。」

美沙「そ、そんな・・・」

 

怪しげな男「まあまあ、そうがっかりするなよ。実は今日来たのは他でもないあんたを救うためなんだ。」

美沙「・・・救う?」

怪しげな男「まあ、これを見ろ。」

 

そういうと、男は内ポケットから一枚の紙切れをとりだして、美沙の前にだした。

 

 

『世界年賀状ゲーム』

 

日時:2007年8月27日 23:00〜

会場:地下帝国03−45

 

賞金:30000ぺリコ

 参加申込:当日現地にて

 

 

 

 美沙「世界年賀状ゲーム??なにこれ?」

怪しい男「地下帝国で五年に一度行われている、闇のゲームだ。残念ながら、詳しいことは話せないが。」

 

 美沙「そんな得体の知れないゲームに参加するわけないじゃない!?

せめて、どんなゲームなのか教えて。さわりだけでも!」

 

怪しい男「駄目なんだ。他の参加者たちも何も知らされない。

君だけに教えるのは不公平というものだろう?」

 

美沙「じゃあ参加しないわ!」

怪しい男「それでは、強制労働施設で働いてもらうしかないなぁ・・・」

美沙「そ、それは・・・」

 

怪しい男「ゲームに参加する気になったら、8月27日の23時までに、地下帝国にくるんだ。」

 

そう言い残すと、男はすっと立ち上がり、美沙のアパートから出て行った。

 

美沙「年賀状ゲーム・・・。なんなのかしら一体・・・

でも、賞金30000ぺリコがあれば借金が返せる・・・」

 

美沙は悩んだ。悩みに悩んだ。悩んだあげくに結論を出した。

このゲームの参加するしか借金を返す道が無いということを。。

 

そして美沙は一つ重要なことを忘れていた。

地下帝国の場所である。

そもそも、地下帝国がなんなのかもよくわかっていない。

 

今自分が何をすべきなのか、何から始めればよいのか全くわからない状況だった。

 

 

 

 

 

 

 

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