サンタさんとトナカイ

 

 

 サンタ「……」



トナカイ「……」



サンタ「……」



トナカイ「……」



サンタ「…ついに今年もこの日がきたな。」



トナカイ「ああ…毎年必ずやってくるからな。」



サンタ「ったく、たった二人で世界中配るってホント不可能に近いぜ。」



トナカイ「こんなつらい仕事、他にやりたがるやついないよな。」



サンタ「俺たちってホントにお人よしだよな。」



トナカイ「プレゼント代だってバカにならないしね。一年間のバイト代が一日ですっからかんさ。」



サンタ「…その事なんだけどさぁ…俺、昨日バイト辞めてきたんだ。」



トナカイ「え?マックの?」



サンタ「そう、マックの。」



トナカイ「は!?なんでだよ?」



サンタ「まあ、正確にいうと辞めたんじゃなくて、クビになったんだけどね。



なんかさぁ、このないだ店長が変わってさぁ、その店長がヒゲを伸ばす事を認めてくれないんだ。



会社的にはヒゲはNGなんだけど、それでも前の店長はサンタって職に理解を示してくれててさぁ。。



店長がかわったとたんこの様さ。まあ、年齢的にも厳しかったのもあるんだろうけどね。」



トナカイ「まじかよぉー。。今年はまだ貯えがあるからいいけど、来年からどうするんだよ!?



ソリのローンだってまだ62回も残ってるんだぞ!ガソリン代だって高くなってるし…。」



サンタ「ま、まあまあ;なんとかまたバイトさせてくれるところ探してみるからさ。」



トナカイ「たのむぜ、ホントに。俺の稼ぎだけじゃ確実に無理だからな。」



サンタ「おっとっとっと。そろそろ出発しないと朝までに終わらなくないか?」



トナカイ「ああ、そうだな。年々各家庭のセキュリティがかたくなってきたからな。



昔のように煙突から侵入できるようなあまい時代は終わったのさ。」



サンタ「さぁ、話はこのくらいにして早いとこ出発しようぜ!」



トナカイ「だな。よし、行くか。ソリまわしてくるわ。」



サンタ「あいよー。」







…ブィィィーン(エンジン音)



トナカイ「おまたせ。乗れよ。」



サンタ「おっす。んー、トナカイ、もうちょっとそっちつめてくれない?最近メタボでさぁ。」



トナカイ「はっ、お前も歳だなぁ。適度な運動心がけろよ。」



サンタ「余計なお世話だ!デブトナカイがよぉ!お前のウェストなんて、俺の1.5倍はあるじゃねえか。」



トナカイ「う、うるせい!自力でソリ引いてた頃は全然痩せてたんだ!今だって少し運動すれば…」



サンタ「無理無理。一回太っちまったらなかなか元にはもどれないぜ。」



トナカイ「く、くそぅ…来年からまた以前のように自力でソリ引いてみようかな。。」



サンタ「それこそ無理だって。人口どれだけ増えたと思ってんだよ。」



トナカイ「確かになぁ…。」



サンタ「あきらめろ。お前はもう…太っている。」



トナカイ「あっ、サンタお前今さりげなくケンシロウ風に言ったろ!?」



サンタ「いいじゃん別に!言いたかったんだよ。。ていうかそろそろ本当に出発するぞ!マジで配りおわらんて!」



トナカイ「はいはい。それにしても冷えるねぇ…」



サンタ「クリスマスが秋頃にあれば若干楽なのにねぇ。。」



シャンシャンシャンシャン



シャンシャンシャンシャン








 

 

 

 

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